2016年度の「はじまりは正倉院展あるくん奈良スタンプラリーの準備が進んできました。10月22日(土)から11月7日(月)まで「第11回」めの開催です。
秋の「春日大社式年造替・正遷宮」の時期に合わせて、「奉祝バル」を開催します。 11月25日(金)26日(土)の開催です。



2015年10月31日

ラリー景品「正倉院文様風呂敷」デザインの出典は?

今回の景品の「正倉院文様風呂敷」、その図案の出典となる正倉院宝物について
こちらにその名称を掲げていますが、「それなんて読むの?」「どういう意味?」という問い合せが。
左上から順に、解説していきます。
huroshiki_syutten.jpg

*まず全体の「下地」のように使われている文様が「密陀絵皮箱」(みつだえ かわばこ)の文様。http://kirie.pw/?p=137  
「密陀絵」とは、荏胡麻(えごま)の油に一酸化鉛を混ぜて過熱した「密陀油」で顔料を溶き、漆では出せない白色を描いたもの。

*向かって左上の正方形の枠の中が「紅牙撥鏤尺」(こうげばちるのしゃく=ものさし)からの図案。
象牙を赤や緑に染め、それを彫り出すことで、地色の象牙色と2色の模様にする技法。正倉院宝物では、「尺」の他、碁石などに使われている技法です。

「赤地唐草襷唐花文錦」(あかじからくさたすきからはなもんにしき) 
唐草、唐花というのは特定の種類ではなく大陸から渡来した草や花に由来するデザイン。
宝相華(ほうそうげ)文も、唐花文の一種。

「金銀絵漆皮箱」(きんぎんえ しっぴのはこ)は、正倉院宝物にいくつかある
「漆で加工した皮を箱の形にしたもの」に、漆で金や銀の絵を描いたものの図案。
この「花」の形は、特に印象的で、「正倉院文様」としていろいろな形で利用されています。
皮を漆で加工して箱にした物は、今回の正倉院展でも、鏡を収めた容器などが出陳されています。

*中央の上は、「礼服御冠残欠」(らいふく おんかんむり ざんけつ)
聖武天皇などが大仏開眼などの際に着用されたという礼服と御冠。
礼服は正倉院に残っていないが、正倉院宝物の名称としては「礼服御冠」の残欠(壊れて欠けた残り)として、本来の用途を示しています。
この鳥の形の文様も、正倉院のデザインとして広く知られていて、今年、奈良県知事賞として大相撲優勝者に贈られることになったトロフィーの台座にも、螺鈿(らでん=漆に貝殻の内側の光る部分を加工し埋め込む技法)で装飾されています。
http://www.pref.nara.jp/item/132409.htm

*中央の図案は、奈良でよく見るものですね。
「麟鹿草木夾纈屏風」(りんろく くさき きょうけちのびょうぶ)と呼ばれます。
二頭の牡鹿が木を挟んで向かい合う図案は、興福寺南円堂などの「門帳」にも使われていて奈良ではお馴染みのもの。
「夾纈」(きょうけち)とは、古来からの染色技法の一つ。
文様を彫った2枚の板の間に折り畳んだ布を固く挟み、染料を注ぐ。
布が折りたたまれていることから、この図案のような左右対称のデザインとなります。
現代に復元された技法の動画がみられます。
多色夾纈技法の復元

*その下が「夾纈絁幡」(きょうけち あしぎぬのばん) 
「絁」(し・あしぎぬ)は、平織りの絹織物で「つむぎ」の前身とも。
「幡」は、仏教祭祀や神社の祭礼などで用いられ、東大寺の聖武祭などで掲げられるものが印象的でしょう。
2015050214380000.jpg
この写真の東大寺聖武祭で大仏殿に掲げられている「幡」は、昭和大修理落慶法要の際に新調されたものですが、先の動画で「多色夾纈技法の復元」を行っている吉岡染色工房の制作によるもののようです。

*右の二つ「紫檀木画槽琵琶」(したんもくがのそうのびわ)2号、3号ですが、
今回出陳されている「ルイ・ヴィトン?」の絵柄は、第3号の方ですね。
2号の図柄の方が「大柄」のようです。
「木画」とは、文字通り、色合いの違う木材を填め込むことで模様を表わす技法ですが、これらの琵琶の装飾の場合、黄楊や紫檀、黒柿といった「木」の他に、象牙や緑に染めた鹿の角、錫なども使われているとのことです。

huroshiki1510.jpg
以上、今回の景品の「正倉院文様風呂敷」に使われている文様の出典について、その名前と簡単な概要を解説させていただきました。
正倉院展&あるくん奈良スタンプラリーを一層楽しんでいただく一助になればと思います。

posted by あるくん奈良 実行委員会 at 08:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆あるくん奈良スタンプラリー
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